注目の技術(29)
 誘導給電(ワイヤレス送電)

ソニーに関する記事
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20400983,00.htm
 (CNETでのニュース記事より)

 ソニー(株)が、電源コードを接続しない(無線)で、60Wの電力を50cm離れたところへ給電することに成功したという。
 いよいよ本格的な無線給電時代が来るかもしれない。


過去にも車両メーカー等で、誘導給電に関するニュース発表が多々ある。

電磁誘導で充電するバス
 電磁誘導で充電するバスの実験(羽田空港)
http://response.jp/article/2008/02/23/106076.html
 (レスポンス自動車ニュースより)
 
asahi.comの記事
http://www.asahi.com/eco/TKY200909270146.html
 (asahi.comより)

 しかし、いずれも昔からある電磁誘導給電を大がかりにしたようなものであり、
近接した物体同士の非接触給電の域を出ていない。

 非接触給電は、すでに色々なものに使用されており、小さなものではICカードがある。
 この中には薄くコイルが仕込まれており、カードを当てると誘導で電源をもらい、内部で処理して信号を発している。

 また、携帯電話などでも10年以上前から、充電スタンドに乗せるだけで充電が行われる機能として使われている。

 我が家でも、見回すと電動歯ブラシの充電で使われている。


 今回注目するのは、ようやく距離を隔てた給電が現実化してきたというところである。
 
 距離を隔てられるということは、充電器といった場所を不要にできる可能性があり、まさに眼に見えない電源コードが実現するということである。
 (無線や高周波を使うと、離れた場所の蛍光灯を点灯させることができるが、これは制御されないエネルギーであり、人体や、他の物体に悪影響を与える。)

 だから、離れた所へエネルギーを安全に送ることができれば、非常に有益だ。

 デスクに備えれば、その周辺で使うパソコンや、携帯電話、テレビなどに給電(充電)させることができ、実質的に電池(電源)の心配をしなくて良い。
 さらに将来を考えれば、各部屋にロボットを置くこともできる。 介護ロボットとすれば、介護老人ホームへの入居者が減るかもしれない。
 警備ロボット、掃除ロボットも充電の休憩を要せず、動きやすいだろう。

 誘導給電の究極は、送電線を無くすことであり、町の景観は大いに変わるだろうし、宇宙空間に展開させた太陽電池から、無限に電力を得ることも夢でなくなる。
 

 新展開の給電の主流は、磁気(磁界)共鳴(共振、同調)だ。
 各国でしのぎを削る開発競争が続くだろう。

 今後とも眼の離せない注目の技術だ。



 


 特許公報に見る類似技術 (公報は「かんたん特許検索」へのリンク)

電力伝送装置、給電装置及び受電装置 特許公開2010-11654 ソニー(株)

移動式の非接触給電装置 特許公開 2009-071909 昭和飛行機工業(株)、東北大学

 各種装置への誘導給電技術

携帯電話充電皿 暖房便座装置 ランプ カプセル内視鏡 人工心臓 産業用ロボット タイヤの空気圧 自走搬送車 移動車両のエネルギー供給装置 人工衛星 エレベータ 冷却用コンテナ


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