(24) スピン起電力
読売新聞夕刊 2009.03.09
磁石を近づけるだけで電圧を生ずるという技術。
東大チーム(田中雅明教授ら)が世界で初めて実現したという。
これは不思議でおもしろい現象だ。
昔から磁石を使って永久運動をさせようという試みがされているが、電圧を生じさせるためには、物理的な動きが必要だった。
今回の現象によれば、磁石を動かさなくても良く、電子のスピン運動を利用するという。
まるで、光電池のようだ。 磁気電池とでも呼べるのかもしれない。
これが実用化すれば半永久電池が出来そうだ。
大規模に構築した場合には、地磁気発電所ができるのだろうか。
まだ極低温での現象なので、超電導技術のように、常温へ適用させる技術が開発されてゆくのでしょう。
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(23) マグネシウム燃料
読売新聞(夕)2008.11.21
マグネシウムを使えば、無尽蔵の燃料(エネルギーが得られる)という夢のような技術。
マグネシウムと言うと、車のホイールや、パソコンの筐体などで身近だが、昔はフラッシュ球として使われていたことからもわかるように燃える。 そういえば花火にも使われている。
この燃焼をエネルギーとして使用する。 しかも燃える際には二酸化炭素が発生しない。 さらには燃えかす(燃焼残滓)を再生(還元)させ、マグネシウムに戻し、再び燃料にできるというのだ。
今までの燃料の常識を覆す技術だ。燃料が減ってゆかないのだから、究極のエコ技術(地球環境保全)だ。
海には1800兆トンものマグネシウムが溶けており、これは石油30万年分に相当するという。
このマグネシウムを大量に使い、火力発電所で石油や石炭の替わりにマグネシウムを燃焼させる「マグネシウム社会」を目指す。
ただマグネシウムを取り出すために、大きなエネルギーが必要で、収支が合わないらしい。
そこで太陽光を使用したレーザーで精錬するという。
その究極技術を実証する工場を、開発した博士自身が北海道千歳に建設したという。
ぜひともご成功をお祈りいたします。
参考:
東京工業大学、矢部孝教授 矢部研究室へのリンク
「かんたん特許検索」 http://kantan.nexp.jp/ へのリンク
太陽光励起レーザー装置
公開 2008-066368 公開 2007-227406
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(22)
希少金属(レアメタル)を、微生物により回収する。
asahi.com 2008.11.09
工場排水に含まれる金やプラチナなどの希少金属(レアメタル)を、微生物の「呼吸」を利用して回収する方法を、小西康裕・大阪府立大教授らが開発
従来の方法より作業時間が短く、費用も少なくて済むという。企業にも共同研究を呼びかけ、実用化をめざす。
バイオ技術は、恐ろしさも秘めているので、実用化は先のことかもしれません。
成功すれば、エコ技術としても有用です。
石油を生成する微生物にも注目しています。
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(21)
朝日新聞2008.07.25
光で動くモーター
光を当てるとプラスチックのベルトが伸縮して車輪が回る。
東京工業大資源化学研究所の池田富樹教授(高分子化学)と山田宗紀研究員らが開発。
以前からおもちゃ程度の同様モータはあったのですが、それを産業に使えるようにできればすばらしいです。
ちょうど水車が粉を挽くように、太陽で動く無人工場ができそうです。
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(20) 熱音響冷却システム
2008.05.26 読売新聞夕刊
音で冷却できるということを初めて知りました。
実際には、熱を直接音に換えて、発する振動で冷却するようです。
すごい技術があったんですね。
これですと、冷却するために新たな熱を生じないそうです。
こういうことを小中学生に教えてほしいものです。
原理は、意外と前からあるようで、
IPDL(特許電子図書館)で検索すると、利用技術が、すぐ出てきました。
特開2007-155167 熱音響冷却装置 トヨタ自動車株式会社
特開平8-14679 熱音響 冷凍サイクル及び冷却 装置 株式会社ゼクセル
特表2004-534195 高周波熱音響冷却器 ザ・ユニバーシティ・オブ・ユタ・リサーチ・ファウンディション
新しい技術を知ったからには、技術常識を少しずつ変えてゆかなくてはなりません。
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(19) 超吸水性物質
読売新聞2008.06.14
わずか1グラムで、生理食塩水を6リットル吸収する物資を発見。
ヒアルロン酸の5倍の吸水性
海苔の一種のスイゼンジノリから抽出したという。
北陸先端科学技術大学院大学のニュース発表
http://www.jaist.ac.jp/news/2008/0613.html
化粧品などに応用が期待されるようです。
しかし、原料が海苔なのですから、北京オリンピックのヨット会場に流れついた大量の藻のように、大々的に栽培(繁殖させ)し、収穫してはどうでしょうか。
それで、吸水物質を抽出させると同時に、残りをバイオエネルギーの原料とし、大量の吸収物質を使って、砂漠や、はげ山の緑化に使えないものでしょうか。
大工業として成り立ちそうな気がします。
そうすれば、CO2問題は一気に解決ですね。(という夏の夢)
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(18) バイオプリンティング
週刊SPA 2008.02.12号
生きた細胞をインクジェットプリンターの原理で吹き付けて、人体の体組織を作ってしまうという、SF映画のような技術が進展中です。
最初は実際にプリンターを買い、インクの替わりに細胞を噴射してみたそうです。
この発想、後で聞けば「ヘー」で済んでしまいそうですが、最初に思いついたときは、すごいひらめきでしょうね。 漫画のように頭が光ったかもしれません。
これからの実用化は大変なことだと思いますが、成功してほしいと思います。
(財) 神奈川科学技術アカデミー の「バイオ・プリンティング」プロジェクト
http://www.newkast.or.jp/innovation/project_end/nakamura_project.html
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(17) 歩いて発電
朝日新聞 2008.02.08
膝(ひざ)に取り付けた装置で、発電ができるという。
その発電量が大きいので、期待できる。
秋葉原に行くと、リュックサックに太陽電池を付けて歩く「おたく」風の人を見かけるが、同じ電気を得るにもこの方が違和感が無い。
夜でも電気が得られるので、ヘッドライトを付けて洞窟探検もできそう。
発電した電気で、筋肉を刺激して歩行を促せば、ダイエットマシンになるかもしれない。
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(16) 電線を限界まで細くする
日経新聞2008.01.21
金(Au)を引っ張って、引き伸ばして、どんどん細くして、さらに延ばす。
そうしたら原子1個分の太さの電線ができたということです。
実に面白い実験です。
そのときの様子を想像すると、NHKテレビの人気番組プロジェクトXのテーマソングが聞こえてきて(頭の中で)、 成功したときの感動が垣間見れたような気がします。
なんでも、原子一個分にした電線の抵抗を測定したら、オームの法則に矛盾する結果がでたようです。
断面積を変えると抵抗が変化するにもかかわらず、電線の長さを伸ばし(延ばし)ても抵抗が変わらないというのです。
つまり、断面の太さだけで導電率が変わるというのです。
これは考えられないことで、とても面白い驚きです。
量子効果と言われるようですが、一般の電線の抵抗とは全く異なります。
自分にとっては、酸素を凍らせると磁石に付く。 レーザー光線は電気を通す。ということ以来の目から鱗の情報です。
神(宇宙)は色々なトラップ(お宝)を仕込んでいるようです。
重力やエネルギーに関するお宝も徐々に発見されることでしょう。
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(15) 高容量メモリ
朝日新聞 2007.11.07
ハードディスク(HDD)の容量が更に増せる技術が開発された。
ノートパソコンにテラバイト(1000GB 、千ギガバイト)のHDDが搭載できるという。
HDDは常に、限界説(機械的な密度を上げれば限界に達してしまう)があって容量は頭打ちになるようなことを言われているが、光の粒で温度を安定化させ更に密度が上がるという。
限界に挑戦する技術は、自らを縮小させてミクロの世界へ冒険するような興奮がある。
こうなると純機械式のHDDの円盤が、まるで固体素子(ソリッドステート)のようでもあり、その固体素子に対し無接触で情報をどう出し入れするかの技術を試行錯誤しているように思える。
これに反し人間の脳は、リキッドステート(液体中に情報を出し入れする)と言えるのかもしれない。
記録に関する情報を収録しているWEBページを見つけた。
http://www.ite.or.jp/news/keyword/Record.html
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14 セメントに電気を通す
朝日新聞(夕刊)2007.4.13
アルミナセメントの原料、C12A7という物質の電気抵抗を黒鉛の1/10にすることに成功したとのことです。
この物質は薄膜にすると光を70%通し、液晶表示などへの応用もあるとか。
安価な物質であるので、応用範囲が広がりそうです。
ビル全体の窓で表示装置を作ったり、鏡の曇り止めなどにも使えるのでしょうか?
文部科学省:Japan Nanonet Bulletin 第72号 : 2004年 9月15日 ナノネットインタビュー透明酸化物に機能を与える
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13 ミリ波カメラ
プレジデント 2007.01ミリ波を検出するカメラ
これにより、炎の後ろにいる人体を映像として検出できる。
人体から発せられるミリ波を検知するとのことだが、人体から電波のようなものが出ているということだ。
いわゆるオーラを検出したり、SFの世界で良く出てくる生命検知装置なども夢ではないような気がしてきた。
東北大学のミリ波カメラの開発論文 |
12 可視光通信
朝日新聞 2006.12.22
照明灯からの光に、目には感じられないような変化を与えることで情報として伝える。
発光ダイオードの使用が増え、半導体の高速な反応を使用しての通信が実用化しつつある。
今までも同様の技術はあって、古くは懐中電灯で通信を行ことなどが学校で技術の実験などで行われている。
しかし、これでは反応が遅く、また明暗を感じてしまうので、照明として使えず実用性が低い。
LEDであれば、人間には明滅を感じないような高速な変化領域を使用できるので、通常の照明器具はもちろんのこと、車のヘッドライトで通信したり、街路樹のイルミネーションから音楽を聴いたり、なんとも応用範囲が広く期待できる。
産学協同コンソーシアム
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11
金属並み強度の植物繊維材
2006.7.14日経
京都大学: 植物繊維を原料にして、金属のように強く、かつ軽い素材を開発。
金属やプラスティック製品に取って代わる可能性があるようです。
高強度人工木材のようなものもできるかもしれません。
yahoo!検索結果 「植物繊維 金属並み」
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10 丸められる超薄型電池
2004.12.08日経
有機ラジカル材料を使い、3.7Vを発生する電池。
紙のように曲げることが可能。
充電時間も30秒程度
NECプレスリリース
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9 超小型飛行ロボット
朝日新聞2004年8月19日
手のひらサイズの飛行ロボット。(重量12.3g)
セイコーエプソンが開発。
この技術のすごいところは、飛行のために翼や気球を使用せず、ペリコプター状のプロペラを使ったところ。 しかも電池内臓での自律飛行。
SF映画に出てくる偵察ロボットも夢ではなくなったようです。
youtube映像
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8 高分子素材による電線
朝日新聞2004年7月13日
高分子素材プラスティックで、0.3ナノメートルの電線を作れる技術が開発された。
0.3ナノメートルということは、0.3 x10のマイナス9乗だから、
0.0000003ミリメートルということか、想像もつかない細さですね。
yahoo辞書 |
7 集積半導体上の斜め配線技術
東芝、世界で初めて斜め配線技術「Xアーキテクチャ」を適用したSoCを製品化
東芝プレスリリース
IC内の配線を斜め45度方向に這わせることで、重量軽減、容積軽減、消費電力低減が図れます。 斜め方向なので×アーキテクチャ. 今までは碁盤の目のような通路状なのでマンハッタンアーキテクチャと呼んでいたそうです。
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6 高圧水素発生装置
水の電気分解のみで高圧水素を発生。
今までは大気圧で水素を作り、ポンプで圧縮していた。 この際に水素の持つエネルギーの20%程度を必要としていた。 更にポンプの耐久性が低かったという。
これで水素自動車等の普及に弾みがつくかもしれません。
開発:三菱商事
参考特許例:特許公開2004-018982
参考:日経ものづくり 2004年6月号
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5 薄型高効率太陽電池
朝日新聞 2004.05.28
なんと3ミクロンの、曲げられる太陽電池をシャープが開発した。
薄型で曲げられる太陽電池は以前からあったが、変換効率28.5%という数値がすごい。 これを使ってどういものができるのかが、注目に値するのです。
あなたも考えてみませんか。
日経エレクトロニクス |
4 有機EL表示
朝日新聞 2004.5.19
大画面薄型TVが実用化の可能性。 セイコーエプソンがエレクトロルミネッセンス(EL)を用いて、40インチ厚さ2.1ミリのディスプレーを開発。
ELは素子自体が発光するのでバックライトが不要。高速変化にも対応する。
ようやく壁掛けテレビが実用になるかも。(現状では壁置きTVですから)
参考リンク(セイコーエプソンニュースリリース)
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3 有機トランジスタ
入出力制御を可能にできることで、曲げられる半導体ができる。
出所:2004.4.6朝日新聞夕刊
開発:東北大学金属材料研究所、岩佐義宏教授らのグループ
参考リンク(科学技術振興機構)
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2 有機ラジカル電池
30秒で充電でき、出力密度はリチウム電池の数十倍
出所:2004.5 日経ものづくり
開発:NEC
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1 高効率熱電モジュール
車の排気熱から電気を取り出す。3.7mm x 3.9mmで500度で15W
出所:2004.3.30読売新聞
開発:東芝
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