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2009,09,27
知財おもうがままにロゴ

 トクホの表示は、消費者庁が管轄

 山総理になって、色々なことが良い方向に変わってゆく期待感がある。

 長期の単独政権は、いわば一定量の安定した水が流れる川だ。
 いつも変わらぬ水位で、人にやさしいように見える。

 だが、どうしても部分的に澱(おり)ができ、こけがむし、水が流れない部分が出る。
 淀(よど)みは、やがて腐敗してゆく。

 それを、時々台風などの大水(おおみず)が流れ去る。
 一時的にはつらいが、後には美しい景色が表れる。

 鳩山政権は、久しぶりの大水だ。

 そんな鳩山総理が、25%の二酸化炭素(温室効果ガス)削減を世界に表明した。


 鳩山総理。二酸化炭素25%削減を伝えるニュース
 yahoo! みんなの政治 http://seiji.yahoo.co.jp/close_up/047/detail.htmlより引用

 穏やかな語り口で、大胆な数値を公約通り表明した。
 「1990年比で2020年までに25%削減(05年比30%)を目指す」

 マニュフェスト(公約)通りであるのだが、この表現(表示とも言える)は実にわかりにくい。

 麻生前政権が示した「2020年までに、2005年比で15%削減」(1990年比8%削減)という表示より厳しいということはわかる。

 結局のところ、今2009年の時点で、あと何%削減すれば良いのかがわからないのだ。
 
 いずれにせよ、厳しい(実現が困難な)数値であろうことは、経済界からの懸念表明で理解できる。

 二酸化炭素削減に経済界から懸念
  25%減は荒唐無稽な数値と産業界は懸念を表明
  時事.com http://www.jiji.com/jc/zc?k=200909/2009090700552から引用

 しかし私は、無理と言われる今回の目標に対し、技術革新の新たな挑戦課題を得たと、妙に安堵(あんど)感を覚える。

 じわじわと目標値を上げられるよりも、一気に実現不能と思われるような目標を掲げてもらった方が、強い意欲につながるということだ。

 これは、規制が創造性発露への刺激になると信じているからだ。
 
 日本発の世界を救う省エネ製品は、「もったいない」という日本人特有の心を持つ技術者でなければ生まれないと思う。
 
 何より、無駄なエネルギーを使わない機械は、それだけで美しい。
 
 すでに、中国では日本のインバータ技術を導入して、エアコン、冷蔵庫などの省エネを進める。
 省エネは自動車、船舶など輸送機関にも浸透し、やがては航空機にまで及ぶかもしれない。
 


 今回は、表示について書こうと思っていたのだが、前置きが長くなってしまった。

 カムの箱にあったマーク ファイバードリンクに付されたマーク ガムの容器と、繊維入り飲料の箱にあったトクホマーク


 このマークは我が家にあった商品から、デジカメで写したものだ。
 いわゆる特定保健用食品表示(トクホマーク、特保マーク)だ。

 厚生労働省が、特に健康に良いと思われる食品にラベルを付すことを許可しているというイメージがある。

 財団法人 日本健康・栄養食品協会(www.jhnfa.org)によると、
 「特定保健用食品《 トクホ 》制度は、国が食品に健康表示(健康への効用をしめす表現)を具体的に表示することを許可する世界で初めての画期的な制度」

 と記している。

 このマークを付した、健康に良いという食用油が、発がん性物質への変化が指摘される物質を含むとして、発売を自粛した。

 これに対し消費者団体は、メーカーに苦情を言うとともに、トクホの許可を取り消せと迫っている。
食用油のトクホ許可取り消しを迫る消費者団体
  yahoo!ニュース 2009.09.25から引用
朝日新聞への投書
  朝日新聞2009.09.26から引用

 朝日新聞の投書欄へも、「許可を取り消し販売停止にしてほしい」という趣旨を含む投書があった。

 このことは、マークを許可(認可とは異なり、審査過程が入る)した厚労省に対し、信頼を裏切られた怒りの表明とも受け取れる。

 薬害などでさんざん反省(?)させられたはずの国に対し、特保でも同じ轍を踏ませるのかというところだろう。
 
 しかし、逆に見れば、トクホマークには非常に大きな顧客吸引力(信頼感)があった(ある)ということだ。

 同じような製品に、トクホマークがあれば値段が多少高くても、トクホマーク入りを選ぶ人が多いのではないだろうか。

 これ(トクホマーク)はもう、すばらしい知的財産だ。

 食品に対して、トクホマークは、商標や特許表示などより位(くらい)が上であるというところだろう。
 
 私が食品メーカーの社長(CEO)ならば、なんとしてもトクホマークの表示許可を取得するよう指示するだろう。

 ところで、このマークには、「厚生労働省許可」との表示が入っているが、トクホマークを許可する部門は、平成21年9月1日発足の消費者庁に移管された。 消費者六法


       トクホマーク許可の流れ

 健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する内閣府令

 【健康増進法26条 特別用途食品許可
       消費者庁長官宛 都道府県知事を経由して申請 】
              ↓
 【内閣総理大臣は、必要な試験を行わせ、安全性に係るものについて
 商品安全委員会、消費者委員会、厚労大臣の意見を聞く】
              ↓
      【消費者庁長官による許可】

  
 新たな科学的知見等が生じたときは、再審査する。


 これにより、トクホマークにあった「厚生労働省許可」は、「消費者庁許可」に変わる模様だ。

 「厚生労働省許可」の表示が消え馴染みの無い「消費者庁許可」に変わることにより、トクホマークの権威が少し落ちると感じる人がいるかもしれない。

 いずれにせよ、健康に良い証という非常にわかりやすいマークなので、理解しやすいことに変わりはないだろう。

 わかりやすいので、マークに馴染みがわき、信頼を得やすいとも言える。

 トクホマークは法律上、内閣総理大臣の指示により許可されている。

 鳩山さんには、ぜひ25%削減の英断に関しても、わかりやすく伝えるマークを作成し、信頼を伝えてほしいものだ。

 2009,09,27 

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 >消費者庁許可トクホ製品例
 

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