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2010.02.04
知財おもうがままにロゴ

 アバターは3Dの起爆剤になりそうだ。



 映画アバターを見た。

The ART of AVATAR ジェームズ・キャメロン『アバター』の世界   [本]

The ART of AVATAR ジェームズ・キャメロン『アバター』の世界 [本]



 近くの映画館は、今までにない混雑ぶりだった。 入れ替えの時間にはロビーに人があふれかえっている。
 とてもポップコーンなど買える状態ではない。 長蛇の列だ。

 チケットはインターネットで購入しておいて良かった。 窓口に並んでいたら、上映時間に間に合わないだろう。
 クチコミで人気が出ていたのだろうか。 それほど宣伝しているようには思えなかったのだが、館内も久しぶりに経験する混みようだ。

 聞くところによると、他の3D映画館では満員で入れなかった人もいるという。

 アバターを見てみようと思ったのは、巨匠ジェームス・キャメロン監督の久々の大作ということもあるが、3D(立体)映像で上映するというところに興味があったのだ。
 3D映像は、博覧会やテーマパークなどで見ることのできる特殊映像という感があり、本格的な映画として、普通の映画館で上映して、見るに耐えるのだろうかという純粋な技術上の興味だ。

 その興味に加えて、「タイタニック」や「アビス」の監督が作ったとなれば見逃す手はない。

 メガネ無しで見えるなどという情報(勘違い)もあったので、映画館に入る際にメガネを受け取らず、座席に座ってから回りの者が持っているのを見て、あわててもらいに行った。

 これが立体メガネか、やたらに厚く重い。 よく見ると電池を入れる蓋が見える。
 電源が必要なのか。 
 センサのような部分もある。 興味津々だ。
 
 3Dメガネ立体眼鏡

 映画の予告編が始まるが、当然立体には見えない。
 しかし、アバターの映画会社のオープニング映像は立体になっていた。

 本編が始まると、さっそくメガネの作動を確かめる。
 顔に装着したり、外したり、片目で見たり、左右逆にしたり。
 端から見たら、使い方のわからない機械音痴のように見えただろう。

 これで、立体装置の概要がわかった。 (XpanD方式)

 XpanD商標
 「 XpanD beyond cinema 」の商標( X6D Limited社の国際登録番号918580号公報より)


 メガネの部分は液晶シャッターだ。 電圧(信号)をかけたり、かけなかったりすることにより、光を通したり遮ったりするのだ。
 当然、左右は相補的にオン・オフする。
 左目が開いているときには、右目が閉じ、右目が開くときには左が閉じるのだ。

 そして、そのタイミングは、両眼部の中央にあるセンサが検出する信号によって決められる。
 だから、スクリーン(銀幕)方向からは、左右の開閉を決める信号が出ているだろう。

 なるほど、映像は左用、右用と交互に映写されているのだろう。

 それで、メガネをかけると立体に見えるものの、光量は半減(片目に入る光は半分になる)ので、映像が暗く感じられるのだ。

3D映画(立体映像の原理)3D映像の映写原理

 センサ部分に指を当てて遮ると、立体が消えて、ずれた映像が見える。
 これは、センサに信号が入らないと、左右両側が開いてしまうからだろう。

 この方式の利点・欠点(メリット・デメリット)を考える。

 メリット(利点):特別な装置を使わなくても立体(3D)映像を映写できる。すなわち、タイミング信号を発する装置が必要な程度で良く、従来の映写機で対応できる。
 もしかすると、映像中に左右を決する信号を入れている?のかもしれない。

 デメリット:メガネに電源や回路が必要な分、重くなり、装着感が気になるので作品に集中できない。
 故障、電池切れ、持ち帰られると言った問題がある。

 ただし、アバターの上映では、IMAX方式の立体上映もある。
  (IMAXは、アイマックス コーポレーションの登録商標第4218747号)

 こちらも見てみたかったのだが、上映館が少なく、混んでいて中央席が取れないこともあって、行っていない。
 アイマックス(ウイキペディア)は、左右用で2台の映写機を使用したものだという。 メガネは、偏光板タイプの簡易なもので良いのだろう。

 IMAX館の方が、料金が高い(普通上映が1800円、XpanD方式が2000円、IMAXが2200円 109CINEMAS川崎の場合)ので、立体感が良いと思われる。これはDIGITAL(デジタル)の強みかもしれない。 http://109cinemas.net/imax/

 初めて見た本格3D映画だったが、慣れる時間が必要であり、また字幕が手前に浮かんでくるので、読むためには視点を前後に動かす必要があり、肝心な映像に集中できない。
 これは、通常の(立体ではない)映画でも同様な問題があるのだが、視点は上下または左右の水平移動で良く、慣れていることもあって、違和感は少ない。

 字幕無しなら相当に仮想空間にのめり込みそうだ。

 そういう意味で、これからは日本映画や吹き替え版でも3D映像を見てみたい。

 IMAX 3Dは以前にもあって、撤退した映画館がある。
 せっかく導入したにもかかわらず、早すぎたのか、作品に恵まれなかったのか、いずれにせよ時期を逸したということだ。

 知財も、その価値を認められるには時期が大切だということを改めて認識させられる。
 今回アバター等の立体映画でおおいに認知された3D技術は、テレビやパソコン、ゲームにと益々普及してゆくことだろう。


 2010.02.04
 

 注:上述した立体映像の原理や、立体メガネの構造は、筆者の想像によるものであり、実際とは異なります。

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