このページには、タイムスタンプが付されています。 付与時の存在が確定しているので、盗用は明白になります。
知財おもうがままにロゴ
 
 政府は先進的な知財政策をとってほしい。
   (音の商標から考える。)
 

 テレビでの宣伝で、特定の音を鳴らす手法は良くある。
 たとえば、森永製菓の宣伝で、エンジェルが振り返って「ピポピポ」という音をならす。
 宣伝用に作ったその音を聞くと、短時間で森永の商品イメージを伝えられて良いと思う。
 
 しかし、最近のテレビCMで、その音に、パソコンでのWindows(R)の起動音を想起させるような音を使ったものを聞い(見)た。
 この宣伝を作った側は、パソコンを起動させて音を聞いたら、商品を思い起こさせようと考えたのだろう。
 一手法ではあるが、知財の立場(観点)からみると、いわゆる只乗り(フリーライド)という感を受ける。
 つまり、自分で作ったものではない音を利用していて、その狙うところが露骨だということだ。
 
 別の見方からすれば、音を上手に利用した宣伝だということもできる。
 しかし、他人の作った音を権利として認識していないとも言える。
 音ならば、短時間聞くだけでもイメージを伝えられるので、標章(商品を想起させる印)としても有効だ。
 

 音に関しては、世界では音響商標(音の商標)というものが存在する。
 ただし、なぜか日本ではその制度が無い。
 逆に言えば、音響商標の制度が無いから、ちょっとした音を勝手に真似されるとも言える。
 商標は、基本的に文字や図形の組合せであり、過去に、あるいは今でも誰かが使っていたら、そのことだけで登録できないというものではない。
 
 だから、標章が有名になってから勝手に他人に登録されてしまう例が後を絶たない。
 そもそも商標は、商品の区分別に登録する制度なので、商品区分が違えば、特許庁は商標として登録させるしかない。
 そのために、わざわざ防護商標なる制度があるのだ。(使っていない商品区分に登録されないようにする制度)
 他人に登録されないように防護商標登録しないのは、権利意識(知財への取り組み)の足りない側が悪いのだということになってしまう。
 
 それは、また別の問題だが、なぜ日本には音響商標が無いのであろうか。
  政府は知的財産立国を標榜しているのだから、まっ先に知財法制を充実させるべきであろう。
  物を大量に作る時代から、アイデアで勝負(経済発展)してこそ、知的財産立国である。
  米国が膨大な特許料を、世界中から得ていることは周知の事実である。

     (世界各国の特許料等使用料上位50 (財)国際貿易投資研究所)
        www.iti.or.jp/stat/3-046-3.pdf 
 
 新たな権利保護制度を作る(立法)すること自体が、知的財産立国への有効な取り組みであるという原点を忘れないでほしい。
 音響商標どころか、振動や、匂い、あるいは光の点滅、電気刺激など、およそ人が受けるさまざまな感覚を、すべて商標として登録できる位の先進性を持ってしかるべきであろう。 
 振動や、光の点滅をどうやって審査するのだという声が聞こえて来そうだが、そういう今までにない価値を権利化法制として作り出すことこそ、知的財産立国としての仕事だ。
 
 (政府内部では、様々な提言、取り組みがなされていることは承知しております。 ただし、新制度は 難しいと先延ばしにしないでいただきたい。
  特許庁:商標に関する国際的動向と取り組み
   www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/nenji/nenpou2010/honpen/4-3.pdf
 
 またマスコミは中国などでの物まねをあげつらう前に、我が日本国内の知財意識こそまだまだ低いという認識を伝えて欲しいという気持ちが強くあります。)
 
 2011.01.10タイムマーク(タイムスタンプ)
 
  「 WINDOWS 」は、米マイクロソフト コーポレイションの登録商標第3333588号等です。

 
 参考:音響商標の一例  サイトへ行ってクリックすると音を聞くことができます。

 米国特許庁のサイト
 http://www.uspto.gov/web/offices/ac/ahrpa/opa/kids/kidsound.html
  米国特許庁の子供向け音響商標紹介サイト
 

 参考:音の商標を考える参考記事

 弁理士会 パテント誌
  色彩、動き、音響等の「新しいタイプの商標」の保護 2009.04
  音の商標について考える 2009.10
  音の商標の保護と著作権,実演家の権利及びレコード制作者の権利との関係 2009.10
 


 
 参考:日本国内での、日本人による著作権侵害事件を伝えるサイトへのリンク

 顕在化する違法コピー、自治体中心に次々と明るみに
  発覚件数は増加の一途 グラフあり。
  http://biz.bcnranking.jp/article/news/1010/101018_124314.html
 
 社団法人コンピュータソフトウエア著作権協会 著作権侵害事件
  http://www2.accsjp.or.jp/criminal/
 
 日本国際映画著作権協会  著作権侵害事件 
  http://jimca.co.jp/info/cic.html

All Rights Reserved, Copyright © Yazawa Kiyoshi 2011