注目の技術(33)
 放射性物質可視化装置(ガンマカメラ)
 
 放射線は目に見えない。
 熱さも感じない。

 ちょうど電波や磁力のようです。
 しかしそれが人体に影響を与えるからには、どこにどのくらいあるのか、ぜひとも知りたいところです。
 温度は赤外線を色で階調付けする映像化装置があります。
 赤外線サーモグラフィ FLIR i5-SK 【0〜250℃・解像度80×80pixl】
 
 しかし、放射線はどうなのだろうと思っていたときに、新聞を見た。
 読売新聞
 読売新聞2012年3月29日夕刊4版1面
 宇宙航空研究開発機構提供とあり
 
 放射線を色の違いで映像表示する装置。
 天体観測用に開発したガンマ線センサの技術を活用したという。
 
 宇宙航空研究開発機構は、「はやぶさ」で有名なJAXA(ジャクサ)のことだ。
 2012年4月3日 「広角コンプトンカメラによる放射性物質の可視化について」を映像配信した。
コンプトンカメラ映像 カメラ本体と開発者
 アスファルト継ぎ目の映像 (雪が積もった場所は減衰するため見えない。)
 超広角(半球視野)コンプトンカメラによる画像  ustream.tvより。
 道路の側溝にある放射性物質を示す。
 3μシーベルトで20分程度から露光が始まる。 この写真は60分露光
 10〜20m程度先まで検出(環境により一概には言えない。)
 カメラを積層、多点化することで、感度、撮影範囲を調整可能
 30倍高い感度のものも開発中

 なんともたのもしい機関だ。
 夢だけでなく、着実に実益を与えてくれる。
 このセンサがあれば、どこに多量の放射線があるかが一目瞭然。
 発見はもちろんのこと、除去できたかどうかの検証も容易だ。
 そうなると、放射線除去技術の評価も容易かつ確実になる。
 夢が膨らむ技術だ。
 JAXAではアストロフィジックス(Astrophysics、望遠鏡天体追従技術)の派生技術として開発したものであり、放射性物可視化装置そのものの開発は目的外のため資金が限られる。
 企業の参入による製品化を望んでいる。
 
 
 
類似技術

http://omoshiro.o-oku.jp/radiate.htm より
2011年11月
読売新聞
 2011年12月14日 読売新聞13版34面より引用
 東芝が開発した、放射線を色で識別できる小型カメラ
 ガンマ線の量を赤、黄、緑、青などで表現。
 写真を見れば、どのあたりにホットスポット(放射線の高い場所)があるかが一目瞭然。
 一台50万円程度。 



 youtube映像へのリンク
youtube 
 霧箱による放射線可視化
 
 

特許公報
 
IPDL(特許電子図書館)での公開特許公報から引用 (公報リンクは「かんたん特許検索」より)
特開2008-092603
放射線デジタル画像処理システム
公開特許公報

放射線可視化システム
特開2008-026185
公開特許公報
 



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