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 WINNY  (ウイニー)
2004-06-09 (水)
 WINNYの作者が著作権の幇助の容疑で起訴された話題は大々的に取り上げられ、マスコミでも論議を呼んでいます。 また、ファイル交換ソフトウエア自体の技術は違法なものではなく、本来奨励されるべきものであり、逮捕は行き過ぎだとの論調も多く出されています。
 簡単に言えば、今までに無く良く切れる刃物を作ることで殺人幇助に問われたようなものだとの論です。
 ここでは、その是非を問うことはせずWINNYの現状と、影響について記してみたいと考えます。

 結論を言えば、現時点では WINNYによる音楽や映像、出版業界に対する負の影響は、それほど大きくは無いという感想です。

 とはいえファイル交換ソフトは、その多くが違法のコピーを促すものであることは、米国等での同様ソフトウエアの開発と、取り締まり実態から明らかであり、WINNYも同様のファイル交換ソフトであることは事実だと思います。
 しかも転送ファイルを暗号化させたり分散させたりして、違法コピーを行なう者が誰であるかを特定することができないように特化させたものであると認識しておりました。
 このためもとより自分には無縁なものであると考え、全くソフトの内容を知らないというところが実体です。
 ここを読む多くの方もご自分ではWINNYを使ったことが無いのではないかと思います。

 しかし知的財産権アドバイザーを標榜する身としては、著作権法違反幇助で摘発され、社会現象にもなったソフトウエアを全く知らないということでは、片手落ちであるので遅蒔きながら実体を体験しようと試みました。
 さっそくインターネットでWINNYを検索し、ダウンロードしようと試みました。

 ところが、検索でヒットしたサイトでは、すべてと言って良いくらいにダウンロードができない状態、または閉鎖状態にありました。
 これは、著作権法違反幇助の摘発を恐れてのことであることは明白です。
 幇助という言葉は、どこまでの行為がそれに該当するのかが不明だから、とりあえず待避して様子を見ようと考えているのでしょう。

 これに逆らってあえてダウンロード環境を残せば、当然目立つ結果となり、本当に幇助になってしまうでしょう。
 閉鎖も無理ありません、いくら著作権法に違反しない使い方をしてくださいなどと注記したとしても、WINNYを使っていったいどうやれば著作権法に違反しない使い方ができるのでしょう。
 つまり「一切違法ではありません」という確たる根拠が示せないのですから隠れるより無いでしょう。

 インターネット上でダウンロードができないのであればと、本を求めにパソコン量販店の書籍売場へ行ってみました、ここではまだWINNY関連の本が山のように積まれておりました。
 当局もその気になれば本販売会社を幇助の容疑で捜査することはできるのでしょうが、出版の自由との兼ね合いもあり現段階ではそこまで考えていないのでしょう、 さっそくWINNYに関するわかりやすいムック本を一冊購入してみました。
山積みされるムック本

 その内容は、実際にWINNYでDOWNLOADしたであろう映像や写真集などを紹介したもので、写真集の出所の記載もしているものであり、これを取り込めば著作権法違反はあきらかなものばかりです。
 (違反になるのは、落とした(ダウンロードした)方ではなく落とさせた(アップロードさせた)者なので、見るだけなら問題なさそうですが、WINNYは落としながら第三者のためアップロードしているので、著作権法違反を行う恐れがあります)

 このムック本にはCD-ROMが添附されており、WINNYのソフトウエアが入っていました。
ムック本に示された通りにインストールしてみました。

 何が起こるか解らないので、全く別のパソコンを用意し、単独でADSL経由で接続してみました。 
ノードと称する接続場所への設定処理が必要で、この部分がやや難しい程度です、
 手始めに拡張子、ZIPと拡張子、JPG、拡張子、MP3で検索を掛けるとあっというまにリストが
表示されました。
現れた画面

 ここから欲しいファイルを取り込む(ダウンロード)処理をすれば、あとはWINNYが勝手に取り込んでくれるようです。
 接続して動作していることは、UP/DNの数値でなんとなくわかります、これを見ると自分のパソコンもUPしている(他人に配信している)ようだということがわかります。
 
 こんなに沢山のファイルが流れているのでは音楽CDや写真集など全く売れなくなってしまうではないか、
 それが正直な感想です、 これをはすごい(恐ろしい)ソフトウエアだ、と思ったものの、 実際にテストで取り込もうとしたファイルは一向にダウンロードされません。 全体の2%程度に止まったままです。
 
 軽いテキストファイルにしよう等と取り込めそうなファイルを選び、結局一晩かかってダウンロードできたものは、アドビ社の警告文1本であり、「不正ダウンロードはやめましょう」といった内容のものであり、冗談の様な話になりました。

 こういったファイル交換ソフトの出始めでは、おそらく相当高速度で動作したものと思われますが、 この種のファイル交換による情報量が膨大になり、回線速度の低下を来す問題が生じ、各種のプロバイダ自体がファイル交換に当てる回線を細くしたため、ファイル交換は極端に遅くなっているようです。

 ですから一晩かかってもMP3になった音楽データを一つも取り込めない(ダウンロードできない)状態にあるようです。
 もっともこちらの環境では2Mbps程度の、どちらかと言えば低速度な環境のためかもしれませんが。

 いずれにせよ音楽や映像ファイル1本を相当な苦労で取り込み、 しかも音楽や映像として復元される保証はなく、 またウイルスが相当の確率で入っているとも言われていますので、普通の人なら正規のCDを買った方が時間の節約にもなって良いと考えると思われます。

 今後JASRACさんなどでは不正ファイル配信者の摘発を積極的に行い、 これらの活動が継続され、不正なファイル交換は労多くして利少なしの状況が社会に一般化するとともに、 自然消滅してゆくものと思われます。

 本事務所では著作権は、業界の利益だけでなくあなた自身の作品(権利)をも守る、有効に使える道具として利用していただきたいと考えております。

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