05:36 夢で起きた。
タケシ ( タレント、映画監督、俳優の北野武さん ) がいて、「新聞のどこを見るんだい」と、私に教えをこいてくる。
なんだか真剣になった。 でもすっと言葉がでてきた。 大新聞に載る技術情報は落とせない。
そこに載った記事は、数多(あまた)の情報からのエッセンスである。 重要なものだけをとってきている。 それはちょうどダンプカーいっぱいの土や砂を篩(ふるい)にかけて、砂金や、ダイヤモンドだけを拾ってくるような感覚だ。
「なるほどねー」と、たけしがうなずく。
変な夢だった。 夢はもともと、とりとめがないのだが、今日見た夢は、筋が通っていた。
考えると、一般新聞の科学記事は素晴らしい。
多くの専門誌、学会論文等の中から、社会的に重要なもの、経済に大きな影響を与えたり、産業の基礎になるような。
とにかく大きな可能性がある技術だけが載っている。
これは経済新聞や産業新聞をとって読んでいたころには得られなかった感覚だ。
そう感じたあとは、専門誌(新聞)を読むことは面白いのだが、時間の無駄のように思えるようになった。
何しろ、専門新聞だって、毎日のように取り上げるべき重要事項があるわけはない。
それでも日刊新聞として隙間を埋めなければならないのだから、どうしても些末(さまつ)な情報を入れなくてはならない。
それらを読んで、おおこれはすごい情報だと感ずるものは、一般紙にも載ることになるのだ。
しかも、一般紙は普通の人(専門外の人)に解るように記事をまとめるのだから、篩(ふるい)にかけたダイヤモンドの原石を、さらに磨いてわかりやすいようにしてくれているとさえ言える。
これは、特許に関する情報においても同じだ。
インクジェットプリンタの空インク容器を再生する会社が、特許権侵害でプリンターメーカーから訴えられた事件があった。
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再生会社としては、販売され、使い切った容器を回収し、インクを詰めるだけだから、リサイクルをしているだけで、何が問題なのだというわけだ。
実際、乾式複写機などは、使い切った各社のトナー部品 ( インク容器に相当
) を集めて、新しくトナーを詰めて安く販売している業者がある。
ところが、プリンタのインクではリサイクル業者は、特許権の侵害であるということになった。
( 地裁では非侵害であったものが、高裁 ( 知財高裁 ) では、特許権侵害となった。)
これは特許界では大きく取り上げられていて、その判決は色々な人が、色々な専門誌で解説するのだが、はっきり言って論点が良く分からなかった。
どうしても大メーカーのこじつけのように思えてしまうのだ。
本体を安くして、インクで利益を得ているような実体からすれば、なんとしても業者 ( リサイクル ) を押さえたいのだろうということだ。
それは実感としてある。 プリンタは1万円以下で、インクは4色から7色もあって、セットで買えばプリンタと同じ程度の値段になる。 しかも単色で売らないメーカーもある。
それで、インクが高いという気持ちが偏見となって、判決を理解 ( しようと )しないのかもしれない。
それが、最高裁まで行き、やはり侵害であるとなったときに、一般紙で取り上げられた。
一面に載ったのだが、その記事がわかりやすく、今まで読んだ、どの解説(専門誌の)でも納得のゆかなかった部分が氷解する思いだった。
さすがは朝日(の記者)だと感じた。 この記者は、人に解るように説明している。
かみ砕いて説明するには、相当な理解がなければできない。
(朝日新聞 2007.11.09 東京朝刊 1頁、35頁)
数多くの専門誌(に載るような情報)を網羅(精査)して、重要なものを取り出し、しかもわかりやすくする。
だから、一般紙は通俗(庶民が知る情報)などと言って侮れないのだ。
むしろ一般紙を精査することが、幅広い情報を確実に得られるような気がする。
そのような貴重な情報を、毎日配達までしてくれてありがとうございます。
最近は活字が大きくなって、字数が限られ、ますますダイヤが磨かれ、情報が輝いているようです。
そんな思いで読んでいます。
2008.08.27
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キヤノン・インクカートリッジ事件 |
上告審: 平成18年(受)第826号. 特許権侵害差止請求事件 |
控訴審: 平成17年(ネ)第10021号 特許権侵害差止請求控訴事件 |
原審: 平成16年(ワ)第8557号 特許権侵害差止請求事件 |
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発明の名称
「液体収納容器,該容器の製造方法,該容器のパッケージ,該容器と記録ヘッドとを一体化したインクジェットヘッドカートリッジ及び液体吐出記録装置」
(特許第3278410号) 特許公開2000-033715
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