守秘義務(しゅひぎむ)

<守秘義務>とは、文字通り秘密を守る義務です。

<ライバル社に漏れては困る重要機密事項を、第三者に調査や契約依頼のために明らかにすることを考えると、どうやって機密(秘密)が保持(担保)されるのかが重要な事項となります。

<また特許においては、秘密にすべき関係に無い人(守秘義務の無い人)に、その内容を伝えれば、たとえ一人であっても「公然知られた」ことになり、特許権を得ることができなくなります。 (特許法29条)

<このようなことから、守秘義務の無い第三者に依頼するときは、守秘契約、秘密(機密)保持契約、等(NDA)が必要になります。

      NDA:Non Disclose Agreement (開示しないことの契約)

<しかしこれらの契約も、法的な罰則がなければ単なる希望的合意事項になってしまいます。

<そこで、知った内容を漏らすことで、依頼者に不利益になるような、秘密を扱うことを業務とする者には、法律で罰則を伴う守秘義務を課しています。

<以下に法律例を一覧表にしてあります。

<このように行政書士には、罰則を伴う守秘義務が課されており、他の士業等(弁護士、弁理士、公証人等)と比較しても高額な罰金が課されていますので、守秘契約の有無にかかわらず、重要事項を依頼できるわけです。

行政書士法

(秘密を守る義務)
第十二条  行政書士は、正当な理由がなく、その業務上取り扱つた事項について知り得た秘密を漏らしてはならない。行政書士でなくなつた後も、また同様とする。 
 
第二十二条  第十二条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。 
 
2  前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
 
弁護士法

(秘密保持の権利及び義務) 
第二十三条  弁護士又は弁護士であつた者は、その職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負う。但し、法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。 
 
刑法

(秘密漏示) 
第百三十四条  医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、六月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
 
弁理士法

(秘密を守る義務)

(弁理士の使用人等の秘密を守る義務) 

第三十条  弁理士又は弁理士であった者は、正当な理由がなく、その業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。 
 第七十七条  弁理士若しくは特許業務法人の使用人その他の従業者又はこれらの者であった者は、正当な理由がなく、第四条から第六条までの業務を補助したことについて知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。 
 第八十条  第三十条又は第七十七条の規定に違反した者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 
2  前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。 
特許法
(秘密を漏らした罪)
第二百条  特許庁の職員又はその職にあつた者がその職務に関して知得した特許出願中の発明に関する秘密を漏らし、又は盗用したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
国家公務員法
(秘密を守る義務)
第百条    職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする。
  
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